動画制作は内製と外注、どっちが得なのか
「動画を作りたいが、社内でやるべきか、外部に頼むべきか」という相談は、企業規模を問わずよく聞かれます。結論から言うと、どちらが正解というものではなく、本数・頻度・求めるクオリティ・社内のリソース状況によって損益分岐点が変わります。この記事では、内製と外注それぞれの実際のコスト構造、外注に向いているケース、そして多くの企業が最終的に落ち着く「ハイブリッド運用」について、制作の現場目線で整理します。
内製のコストは「人件費」だけでは測れない
内製というと、カメラと編集ソフトを揃えれば安く済むと思われがちですが、実際にはもっと多くのコストがかかります。特に見落とされやすいのが、担当者の学習コストと機会損失です。
内製で発生する主なコスト
- 機材費(カメラ・マイク・照明・編集用PC・ソフトのライセンス)
- 担当者の人件費(撮影・編集にかかる実働時間)
- 学習コスト(構成の組み方、カット割り、色調整などの習熟期間)
- 機会損失(本来の業務が止まる時間)
例えば採用動画1本を編集未経験の担当者が内製する場合、企画から納品まで20〜40時間程度かかることも珍しくありません(これはケースによって大きく変動します)。時給換算した人件費に加えて、その時間に本来できたはずの業務が止まるコストも考慮すると、「機材費がかからないから安い」とは一概に言えないのが実情です。
外注のコストと損益分岐点の考え方
外注費は動画のジャンルや尺、撮影日数によって幅がありますが、2026年時点の一般的な目安として、シンプルな会社紹介動画で数十万円台、撮影を伴う採用動画やプロモーション動画で数十万〜百万円台になることが多いようです(制作会社や仕様によって大きく異なります)。
損益分岐点を考える際は、以下の3つの軸で比較すると判断しやすくなります。
| 比較軸 | 内製が有利になりやすい条件 | 外注が有利になりやすい条件 |
|---|---|---|
| 制作本数 | 月に何本も継続して作る | 年に数本程度 |
| クオリティ要求 | 社内向け・スピード優先 | 採用・営業など対外的に見せる用途 |
| 社内リソース | 専任担当者を置ける | 担当者が他業務と兼務 |
特に「制作本数が少ないのに機材とソフトを揃える」パターンは、初期投資を回収する前に担当者が異動・退職してノウハウごと失われる、というケースも起こりがちです。年間の制作本数がある程度見込めるかどうかが、内製化を検討する最初の分かれ目になります。
外注すべきケース・内製で十分なケース
すべてを外注する必要はありません。用途によって使い分けるのが現実的です。
外注が向いているケース
- 採用動画・会社紹介動画など、対外的な第一印象を左右する用途
- 撮影に専門機材や照明が必要な内容(インタビュー、商品撮影など)
- 企画段階から「何を伝えれば成果につながるか」の設計が必要な場合
- 社内に動画制作の経験者がいない、あるいは属人化させたくない場合
内製で十分なケース
- SNS用の短尺・日常的な発信(スマートフォン撮影で完結するもの)
- 社内向けの研修動画・簡易マニュアル
- 速報性が求められ、多少クオリティより速さを優先する場面
外注を検討する際は、依頼する制作会社が過去にどのような動画を手がけてきたかを見ておくと、仕上がりのイメージがつかみやすくなります。制作実績を確認しながら、自社の目的に近い事例があるかを見るのも一つの方法です。
ハイブリッド運用という現実的な選択肢
実務でよく見られるのは、内製と外注を完全に分けるのではなく、目的に応じて併用する運用です。
- 対外的な「顔」になる動画(採用動画・会社紹介動画・商品紹介動画)は外注し、企画から撮影・編集・納品までを一つの窓口に任せる
- 日常的なSNS投稿や簡易な社内共有は内製で回す
- 外注先に撮影した素材の一部を「使い回せる形」で納品してもらい、二次利用は内製で対応する
この運用の利点は、コストを抑えながらも「ここぞ」という場面のクオリティを担保できる点です。外注先を選ぶ際は、企画から撮影・編集・納品までを一気通貫で任せられるか、窓口が一本化されているかも確認しておくと、やり取りの手間が減り意思決定も早くなります。
外注先を選ぶときに確認しておきたいこと
実際に外注を検討する段階になったら、見積金額だけでなく次の点を確認しておくと、後々のミスマッチを防げます。
- 企画の段階から「何を伝えるべきか」を一緒に考えてくれるか
- 撮影・編集・納品までの窓口が分散していないか(担当者が変わるたびに説明し直す手間がないか)
- 修正対応の範囲や回数が契約前に明確になっているか
- 納品後の二次利用(切り出し、SNS用への再編集など)に対応できるか
特に企画から売上・採用・集客といった「成果」から逆算して設計してくれるかどうかは、単に映像として綺麗に仕上がるかどうか以上に、発注後の満足度を左右するポイントです。
まとめ
内製と外注の選択に絶対的な正解はなく、制作本数・用途・社内リソースを踏まえて判断するのが基本です。年に数本、対外的に見せる動画を作るのであれば外注、日常的な発信は内製、というハイブリッド運用が現実的な落としどころになることが多いでしょう。まずは自社がどの用途で動画を必要としているのかを整理し、内製と外注それぞれのコストを具体的に見積もってみることをおすすめします。
「内製と外注、どちらが自社に合っているか分からない」「まずは1本、外注した場合の見積もりを見てみたい」という段階でも構いません。ZEROONEFILMでは、企画の段階から用途や目的をヒアリングし、無理のない進め方をご提案していますので、お気軽にお問い合わせください。
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